ハー・ホーリネス・サイマーは常々、ひとりでも多くの人に「Master(マスター)になってほしい」と語ります。
この「Master」とはどんな人のことを指すのでしょうか。
Masterという言葉は「達人」と訳せます。「名人」「師」「巨匠」「導師」「指導者」いずれもMasterの訳語です。
ですが、サイマーの言うMasterとは「自分自身を認識し、統制できている存在」だと言ってよいでしょう。
今の自分の意識は、どんな状態にあるのか。
自分は今、何を感じて何を考えているのか。その感情や思考はどこからきているのか。
自分にはどんなクセや習慣があるのか。その中で自分に役立つものはどれで、不要なものはどれなのか。
どうすれば自分が本来持っているポテンシャルを最大に発揮できるのか。そのためにはどんな行動が必要か。
こうした問いを常に意識しながら、五感とそれに伴う感情や思考に振り回されずに生きられる存在が、
サイマーの言うMasterです。
私たちには「肉体を持ち脳を使って考える、今ここにいる自分」という側面があります。
同時に「完全性を持ちあらゆる可能性を秘めている、偉大で崇高な自分」という側面も持っています。
その両方が本来はひとつの存在であると知り、高次の自分として感じ、考え、語り、動くことのできる存在が、
つまりMasterが増えていけば、それだけ多くの人々が、偉大で崇高な自分として他人と接するようになります。
そうなればこの世界は自然に、調和と互恵と思いやりに満ちた愛の惑星になることでしょう。
それが、サイマーの願いです。